私が学生の頃、よく言われた言葉に「声が小さい」というのがあります。私は小さな頃から同級生より飛び抜けて背が高かったのですが、「体の割りに声が小さい」とよく言われていました。大人になった今でも思うのですが、体の大きさと声の大きさは比例しないものだと思うのですが。私の場合、場面緘黙症だったこともあり、学校で声を発することに抵抗があったため、基本的に学校での発声は小声だったように思います。

中学生になると、運動会や中総体などがあるたびに、応援団による応援歌練習というものがありました。これがまた曲者。広い校庭に並ばせられて、大声でみんなで応援歌の練習をするわけですが、歌っている人の合間を応援団員が練り歩き、きちんと声を出して歌っているのか、チェックして回るのです。

こういう場ではやはり大声で歌える人が有利ですよね。応援団員に認められた人から順に肩を叩かれ、肩を叩かれた人は、練習から開放されていきました。私も自分なりに声を張り上げて歌っているのですが、それでも肩を叩かれることは無く、大抵、最後まで練習に残されるか、声を出していない罰として、全校生徒の前に並ばされて歌わせられるとか、そんなことばかりでした。

中学の運動会では、各学年から1クラスずつの構成で1つの組を作り、組対抗で運動会が行われたのですが、運動会の種目の中に「応援合戦」というものがあり、各組で行われる応援練習というのもありました。これは学校全体の応援歌練習と違って、もっと少ない人数で練習するわけで、しかも組の応援がかかっているということで、先輩方の指導も相当厳しいものでした。

どんな風なのかというと、一人一人に対してのチェックに時間をかけるわけです。チェックする側も応援団員ではなく、3年生の女子とか。先輩後輩の上下関係の厳しい中学の環境に於いては、それはとても恐ろしいことでした。だって、近づくのも怖いような先輩がすぐ近くに来るわけですから。ただでさえ声が小さい私は、さらに萎縮して声が出にくくなるわけです。

今でも記憶に残っている応援練習があります。私が中学1年の時の組の練習は最悪でした。私が中学1年生の時には、3年に兄がいたのですが、私が妹だということで他の1年生より目立った存在だったようで、興味本位で私に近づいてきては必要以上に厳しい指導をするのでした。私としては自分なりに大声を張り上げているのですが、今まで同様、声が全然出ていないとの評価。しかも先輩より私の方が背が高かったものですから、注意してくる先輩の顔を見ようとすると、どうしても上から見下ろす感じになってしまうんですよね。すると先輩から、

「なに威張ってんの!?」

「その目つきはなんだよ!?」

「きどってんじゃないよ!!」


今でもはっきりと顔を覚えているのですが、私の肩ぐらいまでしか背がないけれど異様に気の強い女子の先輩から罵声というか言いがかりというか・・・そんなことを練習の度に言われ続けるわけです。中1だった私は、あまりの恐怖に耐えきれず泣き出す時もありました。泣き出すと今度は、「風邪をひいてて、声が出なかったんだよね?」なんて言って助けてくれる先輩もいたりしましたが、緘黙で声を出しにくい上に、”同級生の妹”という興味本位からの攻撃、なんで私に兄がいるんだろうってこの時ばかりは思いました。

そんな感じで、応援歌練習といえば上記のような嫌な記憶ばっかりでした。自分的にはすごく声が出ていると思うんですよね。なんなら、歌っている時は自分の声しか聞こえないぐらいなのに。けれど結果はいつも「声が出ていない、声が小さい」という評価ばかり。一体、なんなんでしょうね。なので「なんで声が出ないんだろう。なんで声が小さいんだろう」と自分を恨んだりもしました。

でも、大人になってから冷静に考えて思ったことが1つ。それは、私はほとんど学校で発言していなかったので、周りの人が私の声がどんな声なのかよく知らないんじゃないかってこと。なので、大声チェックをしていた応援団員は、聞こえていた声がまさか私の声だって思えなかったのでは?と思っています。もしそうだとしたら、私はかなり損していたことになるのですが。一生懸命歌っていたのにね。まあ、今までの人生を振り返っても、普通の人にはありえないところで損するのは日常的になってはいるのだけれど。

以前このブログでも書いたのですが、小学生の時、音楽のテストで1人ずつみんなの前で歌わされたことがあって。その時は自分の声がいつも小さいという認識から、1回で合格したいという気持ちもあって意識して大声で歌ったんですね。その時は先生に「やれば出来るじゃない。」と言われたので、大きい声が出せていたことは確実。なので、中学の応援歌練習でも絶対、大声で歌えていたはずなんですよね。今思い出してもムカついてきます。

大人になってもこんなことを未だに根に持っている私は、声だけじゃなく、心も小さい(狭い)のかもしれませんが(笑)




Secret