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2017/09
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「火の神の登場です」
小学6年生の頃の話です。

私は学校の図書委員だったのですが、学校行事のクリスマス会の司会を、図書委員を含む複数の委員が担当することになりました。当然、年上である6年生を中心にクリスマス会の司会を担当することになりました。

当時バリバリの緘黙児だった私は、プライベートな発言は一切出来ませんでしたが、授業中の発言や教科書の朗読など、必要とされている発言はなぜか出来たので、クリスマス会の司会の練習はなんとかこなしていました。

そうして数日後、本番です。飾られた体育館に小学1年生から6年生までの全校生徒と先生方全員が集まりました。生徒達はクラスごとに、全体でコの字型になるように整列して座り、司会である私を含めた数名は、体育館の斜め前方に整列。いよいよクリスマス会は始まりました。

司会は6人ほどいたのですが、それぞれ進行する箇所が分担されていて、交互に発言するような感じで進行していました。クリスマス会も中盤になり、生徒達も楽しんでいるようで体育館もざわざわと騒々しい雰囲気になっていました。ここで、私の発言の番が来ました。「火の神の登場です。」という私の一声で、体育館入り口に控えていた火の神役の子が、入場することになっていました。

「火の神の登場です!!」私は大きな声で言いました。けれど、火の神は現れず。もう一度言いました。「火の神の登場です!!」けど現れない。大きな声で言ったはずの私の声は、騒々しい体育館にかき消され、火の神が隠れている体育館入り口までは聞こえないようなのです。火の神役の子も、その側にいた先生も、「まだ呼ばれないのか?」という表情でこちらを伺っています。

私はまた言いました。いや、叫びました。「火の神の登場です!!」立て続けに叫んでみたのですが、それでも聞こえないようです。普段声を発しない学校で、しかも全校生徒の前で、それも大声で言い続けた私は少し疲れてしまい、その場で小さいため息を付きました。その時、私のすぐ隣にいた同じ司会のクラスメイトの女の子が私に言いました。

「何ため息ついてんの?早く大声で言ったらいいじゃない!」

私はそのクラスメイトの言葉にびっくりしました。というのは、自分が今まで言っていた声は、ずっと声になっていなかったのか?という不安な気持ちでいっぱいになってしまったのです。頭の中は体育館のザワザワした騒音で一杯になり、私自身が今声を出しているのかいないのか自分で判断がつかなくなってきて、もうセリフを言うことが出来なくなってしまいました。今考えると、軽いパニックを起こしたんだと思います。

今まで進行していたクリスマス会はここに来て急に進行しなくなり、体育館も今までとは違う意味でざわつき始めました。そこで、やっと異変に気付いた先生が急いでマイクをセッティングし、私はそのマイクを通してようやく火の神を呼ぶことが出来たのでした。そう。ずっと司会進行は生声でやっていたのです。私はマイクを見て、「あるんなら最初からマイクでやらせてくれれば良かったのに!!」と思ったのでした。

後日、私より2つ下の同じ小学校に通うの近所の友達に、「私が何回『火の神の登場です』って言ったか知ってる?」と聞いてみると、「3回でしょ?」と答えました。そう。私の声はちゃんと周りの児童には届いていたのでした。ただ、体育館入り口の火の神には聞こえなかっただけだったのです。私はそれを知って、自分の声はちゃんと出ていたんだ、とやっと安堵したのでした。今思い出しても、とても嫌な思い出。今だったら文句の1つも言ってやるのにね。全く楽しめないクリスマス会でした。



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テーマ : 緘黙症
ジャンル : 心と身体

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るいさんの言葉がすんなりと届いて、上手く進行すればすっごい自信に繋がったのに、とても残念だったね。。。

私も生声ってのは今でも自信なくて、マイクがあるとホッとするよ(笑)。
●野ウサギ。さん
お返事が遅れてスミマセン。

そうですね、この司会が大成功だったらかなりの自信がついただろうなとは思いますが・・・残念な結果に終わりましたi-183

生声・・・私も苦手ですね。っていうか、自分の声自体がすごく嫌いなんですよね。録音された自分の声なんて聞かされたら、耳を塞いでしまいます(笑)
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るい

Author:るい
場面緘黙・複数の恐怖症・吃音などの経験を持つ主婦。タイトル下の文にある「中間族」とは、自己診断で場面緘黙・恐怖症と知りつつも治療を受けるほどではなく、かといって世の中を上手く渡れない、そんな中間の立場で生活している自分を例えた言葉。知らない場所・空間の中にいるのが苦手。人や環境に慣れるまでに時間が掛かり、その間は会話がなかなか成立しない為、第一印象で「大人しい・根暗・変な人」と思われがち。基本的に面白いこと大好きな明るい性格。慣れればよく喋りますが、文字の方が自分を出せてる気がします。喋るより書く方が好き。

★息子(ゴン)の紹介・・・今春から高1の15歳。運動苦手・勉強苦手・生真面目・大人しいという性格上、未就学児の頃から小学卒業まで嫌がらせなどのトラブル多数。小5、小6の2年間、学級・学年崩壊を経験。嫌がらせ・いじめ・暴力による怪我やトラブルが日常的に。クラスが落ち着き始めた頃、元友達からのストーカー行為により、ストレス性胃炎での遅刻、欠席が頻繁に。区域外の中学で心機一転、すぐに友達も出来、順調に思えた中1の5月、左足不随をきっかけに不登校に(後に心身症と判明)。同7月、WISC-IVでLDと判明。発達性協調運動障害の傾向も。約1年間の通院・カウンセリングを経て徐々に登校日数が増え、中3は欠席ゼロで中学を卒業。推薦入試で第一志望の高校合格をゲット。現在は元気に通学中。

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