RA・SHI・KU
”中間族”な私の、緘黙症・恐怖症などの体験談・過去の思い出、自己分析を兼ねて自分なりに調べた情報、子宮筋腫の通院の話、中学で不登校を経験した息子の幼少期から現在の近況など。自分らしく生きていくことを目指しています。
2008.06.17 (Tue)
Kちゃんと過ごした中学時代
Kちゃんの存在のおかげで少しずつ学校で普段の自分を出せるようになってきた私。Kちゃんと2人だけだったら、家にいる時のように会話もできるようになりました。そういう生活が数日続いた後、今まで「学校にいる自分」と「家にいる自分」が境界線でくっきり分かれていたのが、少しずつあやふやになってきたように思います。学校という場で常に緊張していた自分が、学校でも気を緩められる場面が多くなってきた、そんな感じでしょうか。
そのことを証明するような出来事を一つ、今でもはっきりと覚えています。中学の掃除の時間、廊下の床を雑巾がけをしなくてはならなかったのですが、面倒だったので手を使わずに足で適当に雑巾がけしていたんですね。ふと廊下の向こうから担任の先生がやってくるのが見えて、「やばい」と思い、手で雑巾を持ち直して掃除したのですが、遠くからでも先生はしっかり見ていたんでしょうね。すれ違う時に私に注意するかと思いきや、小さな声で「信じられない、信じられない・・・」とぶつぶつ呟きながら通り過ぎたのでした(笑)
先生からすれば、あんなにまじめで大人しい子が足で雑巾がけをするなんて、目を疑うような、本当に想像だにしていなかった姿だったのでしょう。あの先生の驚いた顔が今でもおかしくて、忘れられません。私的には、そういう姿を先生に見られたというショックなどは全くなくて、「あ、見られちゃった」程度の感覚になっていました。Kちゃんと出会う前なら全く考えられなかったことです。
私とKちゃんが笑ったりしながら話しているのを遠くで見ていたせいでしょうか、そのうち、Kちゃんの小学校時代からのお友達からも話し掛けられることもあったりして、お友達みんなと休み時間を一緒に過ごすことが多くなりました。その時はやはり普段どおりの会話とはいかないけれど、話を聞いて一緒に笑ったりとかは出来ましたし、一気に友達も増えたみたいで嬉しかったな。そのうち、お昼休み時間を利用して、みんなで体育館へ行き、輪になってバレーボールのレシーブが何回続くか、なんていうのが仲間内で流行って、一時期ずっとやっていたりしました。私にボールが回って来た時、ふざけてグー


あとは、体育館の倉庫やステージ裏を使って隠れ鬼をしたり、覚えていないけれど、いろいろ遊んだな~っていう記憶があります。授業中におしゃべりしたり、小さくきった紙に手紙を書いてKちゃんと交換したり。(この小さい手紙は、実は今でも捨てられずに残してあります。)そうそう、いろいろあって、Kちゃんと一緒に授業をボイコットした時も一度ありました。その他、プライベートで同級生と遊んだのも中学の時が初めてでした。Kちゃんの家に呼ばれて何度か遊びに行ったり、私の自宅にもKちゃんを呼んだり。そういう経験を初めてしたのもこの頃。他にもいろいろあったような気がするのですが、今はちょっと思い出せません。授業中にも遊んだりしていたので成績がちょっと落ちたりして、慌てて勉強したりもしましたが、それでも中学校生活の後半はとても楽しく過ごすことが出来たのは覚えています。
それから、Kちゃんとはもう一つ、一緒にやっていたことがありました。それは、交換日記。部活の仲間とも交換日記をやっていましたから、当時、流行っていたのかな?たぶんKちゃんの方から「やろう!」って言い出した気がします。中2の後半からKちゃんと2人の交換日記を始めました。ノートは2人で交代で購入しました。たいした内容ではなかったと思うのだけれど、喋るより書くほうが得意な私としては、とても好都合でした。交換日記のおかげもあって、Kちゃんと私はお互いのことをよりよく知ることが出来て、友情も深まったんじゃないかなと思います。
この交換日記は、中学の卒業式まで続きました。その間、10冊以上は書いたかな。なんで、交換日記が中学の卒業式で終わってしまったかというと、Kちゃんは、家庭の都合で高校へは進学しなかったから。私は高校へ進学することになっていましたので、Kちゃんとすごせた楽しい時間は約2年間しかなかったのですが、私にとっては何十年にも相当するような充実した時間だったのでした。
中学を卒業してからの話は、また後日ということで。。。
【追記】
Kちゃんと続けていた交換日記。中学卒業後は、Kちゃんが自宅で保管してくれていたのですが、数年後、Kちゃんの自宅が火事になり半焼、その際に一緒に焼けてしまったとのことです。Kちゃんが出勤した後の出来事だったので、Kちゃんは助かりました。Kちゃんのお母さんも助かりました。ただ、Kちゃんのお父さんが、この火事で亡くなってしまいました。Kちゃんちに遊びに行った際、何度かお会いしたことのあるお父さんだったのですが・・・。今となっては10年以上も前の話ですが、この場を借りて改めてご冥福をお祈りいたします。




2008.06.04 (Wed)
『バンザイ!なかやまくん』
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主人公は、一年生になったばかりの「なかやま たつお」。
たつおは、先生に名前を呼ばれても返事が出来ません。
今日も昨日もその前の日もずっと返事ができないのです。
どうして学校へ行くと喋れなくなるのか、たつおにもわかりません。
みんなの目と耳が、たつおの「はい」を待っています。
顔がぽっぽと熱くなって、汗が出てきました。
涙と鼻水も出てきました。
それなのに、声だけが出てきません。
学校という新しい環境。
すんなり順応する子もいれば、主人公のたつおのようになかなか
自分を出せない子もいるんです。
作者自身もそういう内気な子の1人だったということもあるのでしょうか、
そういう学校でのワンシーンが目に見えるように描かれていて、
読み入ってしまいました。
前半は返事の出来ないたつおのシーンが目立ちますが、
後半は、教室で飼う事になった金色のカエルが登場し、
ストーリーが別の話へ急展開していきます。
けれど、金色のカエルがたつおに奇跡をくれるのです!
カエルに気を取られていたたつおは、思わず大声で叫びます。
「なかやまたつおくん。もう、だいじょうぶだね。」と先生。
そうだ!ぼく、しゃべってる・・・・・。
”思わず”喋ってしまうあたり、そうそう!と共感してしまいました。話し出すきっかけって、”思わず”っていうのが、とても自然な形かなって思います。
この本ですが、息子が小学生になるにあたり、場面緘黙を発症するのでは?という懸念があったので、タイミングを見計らって読み聞かせようかと思っていたのですが、今のところ、授業中、小さい声ながらも話せているようですし、休み時間にはお友達と走り回ったりおしゃべりしたりできているようなので、まだ読み聞かせていません。でも、息子が好きな生き物(カエル)が出てくるので、興味を持って読んでくれるのでは?と思うので、今度、読み聞かせてやろうと思っています。
児童書なので、すごく読みやすいです。対象年齢は6歳前後からかな?大人だったら20分もあればじゅうぶん読めますし、漢字もほとんど使われておらず、たまに出てくる漢字にはルビが振られているので、ひらがなとカタカナさえ読むことができれば、子供だけでも読める内容になっています。子供の細かい心理描写が印象的な一冊でした。



